夏空に思うこと

 

毎日30度越えの猛暑日が続いています。

ジリジリと

庭の草花、街路樹、アスファルト

何もかも灼き尽くさんとばかりの日差しです。

 

暑い暑いと言いながら
日傘の端から見上げる夏空

真っ白な雲が浮かんでる。

 

真夏の空には真っ白な雲、、、

いつの日も同じだったのだろうか。

その時も、同じような雲を見たのだろうか、あの人は、、、

伯父さん、会ったことのない伯父さん、、、

 

 

花の好きな青年だった

 

花の好きな、育てることも上手な人だった。

戦前の時代、花の種を取り寄せる人など居なかったころ

種を取り寄せては上手に育てていた人。

とても穏やかで静かな人だった、と、母から聞いていた。

 

なんという名の花々だったのだろうか。

 

伯父さん、あなたの育てた沢山の花を見てみたかった。

あなたの好きな花の名は何でしょう

聞けるものならその花を、きっと私も愛するでしょう。

 

あなたと家族の悲しみが心に重い

 

遺影の姿は端正な顔立ちに

物静かな人柄のあらわれている写真。

 

軍服を着て家を出ていかなければならないとき

伯父や家族は何を語ったのだろうか。

悲しみ、不安、無事を祈る気持ち、

どうにもならない逆らえない定めに

引き裂かれる家族。

お互いを思いやる気持ちだけで胸がいっぱいで

きっと、何も語ることはできなかったのではないだろうか、、、

 

ああ、伯父さん、、、

あなたには好きな花を楽しむ人生を生きてほしかった、、、

 

お盆には、お骨の入っていないあなたのお墓に

花を持って行きましょう。

 

ジリジリと

真夏の空の白い雲を見て

今年もそんな思いが浮かびました。